安来和鋼博物館・・・・たたら製鉄・・・・・玉鋼(たまはがね)・・・・日本刀・・・・鉄製厨子

安来駅まで行く機会があり、近くの和鋼博物館に行きました。たたら製鉄について展示解説している博物館です。

案内パンフレットによると、「中国山地は良質の砂鉄と豊かな森林資源に恵まれ、古くからたたら製鉄が盛んな地帯でした。江戸時代の後半には国内総生産量の約80%を占めたとされています。館名の「和鋼」は、「たたら」で生産される日本(和)独特の鋼という意味をもっています。」と紹介されています。
館内では、現在も日本刀の素材として使われる、玉鋼も見ることが出来ました。玉鋼は、ざらざらして、穴のあいた少し白っぽい銀のような感じで、大きい結晶では、5mm角くらいのものもありました。1回のたたらには、砂鉄12.8トン、木炭13.5トンを使い、(けら・・・・金へんに母)が3.5トン出来ると説明してあります。(けら)の大きさは、たたら炉を壊して取り出すので、約1.5m×4m×厚み0.4mくらいの凹凸のある大きなようかんです。(けら)には、炭素含有率や破面の均質性によって鋼のランクがあり、名前がついていますが、一番いいものが玉鋼です。玉鋼は、(けら)の中で、おおよそ2割ぐらいあるように見えました。
原材料の真砂砂鉄(山で取れる砂鉄)の山地は、中国山地日本海側、奥出雲辺りに多く分布しています。また、炭の材料になる木材は、ナツツバキ、ブナ、ミズナラクヌギなどが良いとされ、1回のたたらに使用される炭を生産する森林面積は約1ha必要で、年間約60回の操業が行われ、樹齢30年以上の木材を使うと、1ヶ所でたたらの操業を継続するには1800haの森林が必要だったそうです。
大山の宝物館、霊宝閣一番奥突き当たり左側に展示してある、「鉄製厨子」(1172年、紀成盛(きのなりもり)が寄進した)は、製作年代のわかる鉄鋳物としては日本最古のものだそうです。