天地明察

 今年の目標の一つに、本を読むことをあげました。ここ数年、まとまった本を読んでいません。たまたま、正月に帰省していた息子が置いて行った本がありました。
 「天地明察」 冲方 丁(うぶかた とう)著 角川文庫 平成24年5月21日 初版 上・下二冊です。(単行本は平成21年に発行されています。)それが今年の一冊目です。
 日本で使われてきた、暦の改暦についての本です。少し前に、新聞の書評欄でこの本のことを知りました。本の最後に、「史実をもとにしたフィクションです(編集部)」と書いてありました。
 時代は、江戸時代、四代将軍、家綱将軍の時代、西暦1600年代後半です。日本の新しい暦、貞享暦(じょうきょうれき)が採用されたのが、1684年。世界ではガリレオが地動説を唱え、ニュートン万有引力を発見(1687年)したころです。和算家の、関和孝も、改暦に大きな役割をになったことが書かれています。
 日本で、平安時代から800年以上にわたって使われてきた暦が、江戸時代には、2日のずれを生むようになっていたことから幕府としても改暦の必要性を認識していました。当時、政治や軍事以外のまつりごとは、朝廷や公家の仕事であり、改暦もこれまで幕府は主導していません。改暦は、日本の権力体制にとって大改革であったわけです。 主人公の、渋川春海囲碁と、算術に長け、水戸光圀など、その時代の権力を持つ人たちの支援を受け、周囲の人たちに支えられ、ほぼ一生をかけて大事業を成し遂げます。
・・・・・読みやすさと、おもしろさで、正月、冬の雪の季節、1日半で読み終えました。