大神山神社奥宮・後向き門(3)・・・・・通常の取り付け方だと格好が悪い
門の扉が逆向きに取り付られている理由。私の結論は、(1)「通常の取り付け方にすると格好が悪い」からだと思っています。もう一つ、(2)「門に付いている扉はもともと今のように付いていた。あるいは、西楽院にあった門に取り付けられていた扉ではなく、違う建物の扉だと思われる。あるいは、西楽院にあった時は、門に扉が付いていなかったのではないかという考え方も出来ます。」
大山寺の社寺見学会に参加されていたTさんや、後向き門の修理に関与されていた方かから聞いた話と、よそで見た他の門との構造比較などを総合した結果です。(社寺見学会は、2009年9月26日に行われました。9月9日と、9月27日の日記に書いています。)
最初に、(2)の、「門に付いている扉はもともと今のように付いていた。あるいは、西楽院にあった門に取り付けられていた扉ではなく、違う建物の扉だと思われる。あるいは、西楽院にあった時は、門に扉が付いていなかったのではないかという考え方も出来ます。」について。
下の写真は、昨日の日記に載せた写真です。
1.門の扉を閉めても、閂を掛けられない。
写真の右側が扉の支えになっています。門を閉めて、閂を掛けようとすると、門の柱をつないでいる横に渡した桁に閂があたって、閂が掛けられません。
閂を支える金具が2個扉に付けてありますが、扉の幅のほぼ中央にあるため、金具に、閂を掛ける為には、扉の幅よりも長い閂が必要になりますが、扉を閉めて、横から閂を差し込もうとすると、閂が桁に当り、上に書いた状態になります。
扉を反対に開くように取り付けても、門は前後対称に作られていますから閂が桁に当り、閂は掛けることが出来ません。
2.扉を左右入れ替え、通常の門にすると、門が90度開けない
上の写真は扉に付いている閂用金具。
しかも、閂の金具が扉から12cmくらい凸になっている為、今度は門を開けたとき、この金具が、桁に当り、門を完全に90度開くことは出来ません。扉の端が、おおよそ24cm開いた、「ハ」の字の形になります。これでは「格好が悪い」でしょう。
3.扉を開閉可能に支持する機構が貧弱
上の写真。扉は左側で扉を回転支持している上下の部分と、扉の端では、扉が傾かないように上側では金具で吊り下げ、下は石を置いて支えられています。
回転支持する木片は、梁に「コ」の字型の金具で取り付けられていますが、木片単独では、扉が自身の重量で傾かないように支えることは出来ないように見えます。
上の写真は、扉を回転支持している上の部分を拡大したものです。
上の写真は、扉を回転支持する下の部分。大きな木片に穴をあけ、回転支持していますが、木片は、取って付けたような素人細工に見えます。
結局、この門は扉を開閉する前提で作られているとは思えないのです。門に、扉があると、威厳を感じます。その意味で付けられているように考えています。
したがって、(1)の「通常の取り付け方にすると格好が悪い」から、逆に取り付けたという理由付けをして納得しています。
ボランティアガイドをしている友人が、その時来ていた人に、西楽院の写真か、絵を見せてもらった事がある言っていましたが、門については記憶に残っていないそうです。
西楽院が移転したのは、明治初めですから写真は撮ることが出来たはずです。どなたかお持ちではありませんか。