どこに出してもはずかしくない大山寺の仏像(3)・・・・鉄製厨子 (2)

大山寺宝物館、霊宝閣に展示してある、鉄製厨子(てつせいずし)について、補足します。厨子は、仏像ではありませんが、大山寺の歴史にとって貴重なものだと説明を受けました。6月21日の日記の一部を転記します。
「2009年5月24日、大山町教育委員会主催の「大山寺に伝わる仏像の見学会」がありました。場所は、大山寺霊宝閣。大山寺参道を登って、大山参道ギャラリーを過ぎて50mくらい先の右。山楽荘の道を挟んで向かい側です。
先生は、小山勝之進(元鳥取県博物館学芸員)さん。大山町では、平成17年大山寺の僧坊調査を行ったが、その仏像を担当された先生です。」
見学会で撮った写真です。左側にあるのが厨子です。厨子の右は、厨子の胴体の周りに貼り付けられていた鉄板で、銘文が陽鋳されています。

鉄板には、平安時代の終わり、承安2年(1172)に、会見ごうりの豪族、紀成盛(きのなりもり)が願主となり地蔵尊と鋳鉄厨子を安置したと書いてあります。また、一山三院と言う呼び方も書かれ、栄西の師に当たる、大山寺の高僧、基好の名も記載されています。證署として、西明院院主、南光院別当、中門院座主の名前も書かれています。
この厨子は、和鋼博物館の年表にあった、製作年代のわかる日本最古の鉄鋳物であると同時に、大山寺の一山三院の歴史を証明する貴重なものだそうです。(参考:企画展 はじまりの物語 −縁起絵巻に描かれた古(いにしえ)のとっとり− 鳥取県立博物館 2008年10月4日発行)