別れ地蔵・・・・・お地蔵さんの見ている大山は

大山道は、大山信仰の道、牛馬市の道として歴史を経て来ました。坊領道(・・・・伯耆西部の海岸部から大山寺に向かう道として、御来屋(みくりや)あるいは所子(ところご)から坊領を経て大山に向かう道)と尾高道(・・・・米子、尾高から大山に向かう道)の合流点に別れ地蔵があります。大山寺にある立像大地蔵の一つです。
右側の樹木は、ナツツバキです。
かつては、合流地点から大山寺参道を行くと、銅の鳥居がありました。

別れ地蔵 2008年7月4日撮影

手前の道標には次のように書いてあります。
従是 右 みくりや いなば
   左 よなご い津も道

大山道の道標:尾高道と坊領道合流地点 撮影2008年7月4日

お地蔵さんの見ている大山は、写真右側の木の枝で三鈷峰(さんこほう)が半分しか見えません。3、4m左から撮ったのが次の写真です。
大山道路(坊領道)の真ん中から撮っています。撮影2009年6月24日

三鈷峰が正面に見えます。むかしの人たちが、大山を崇めた象徴の一つが三鈷峰ではなかったかと思っています。
北壁を見ていると、峰が単調で、東側の三鈷峰の三角とんがりが意味を持っているように思えてなりません。
広辞苑によると、三鈷は、「密教で、煩悩を破砕し菩提心を表す金属製の法具。もとインドの武器」とあります。
先端部が三角形のような形をしています。

国土地理院の地図閲覧サービス(リンク集にあります)で、三鈷峰を調べると、ここ大山にしかありません。阿弥陀川は、ここ大山町と、もう一ヶ所青森県東津軽郡蓬田村にありました。なお、阿弥陀滝は大山にしかありません。